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MASAMI UEDA
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東京の電車等の公共機関やデパートなどに届けられた遺失物は、一定期間保管されたのち売買され、再び商品として遺失物を販売するお店に並ぶ。
足を運んだ遺失物販売店では、商品となった遺失物が衣類や雑貨など大まかな品目に分けられ陳列されていた。
中には分類されず価格だけ貼られただけのものがいくつもあった。
店主に話を聞くと、元が遺失物のため正体不明の品物があるということだ。
名前と用途を喪失し、雑多に置かれた品物たちは「もの」として存在感を放っていた。
これは何だろう?
発掘した古代の遺物の謎を解き明かすように、遺失物だった「もの」を観察した。
掃除用具か舞踏の小道具、もしくは装飾物だろうか?
陳列棚に収まっている「もの」が様々な姿で活躍する想像をしたら、どれも正解のように思えた。
目の前の「もの」が未知のものとなったとき、「もの」の在り方が広がってみえた。
新しい名前を見つけるように、お店で出会った「もの」を撮ろうと思った。
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