MASAMI UEDA
植田真紗美『海へ』
写真集『海へ』はおよそ8年間、都内の自宅から海へ行き来して撮影した写真から構成している。
次々と身の回りで起こる出来事を写真に重ねあわせ、生へ向かう物語としてまとめた作品だ。
写真集は物語を表すため、小説と同じ縦書き・右開きにし、表紙には手記をイメージするような紙を使用。
写真を繋いで物語を展開するにあたり、8年分の写真を限りなく削ぎ落し、1冊を通して緊張感と疾走感を 保ち、選べない出来事に翻弄されながら駆け抜けた月日を表現している。
『海へ』について -写真評論家 鳥原学
あらゆるモノが、人との関係が移ろっていく。もちろん自分自身のあり様も例外ではなく、この世に生まれた者の宿命である。植田真紗美にとっての写真は、そんな時間の流れを掬い取っておける唯一つの器だ。だから掌からこぼれ落ちてゆく、変わりゆくもの同士の一瞬の結びつきに永遠を見ようとした。『海へ』に収められた個々のイメージは“性”と“生”の象徴と隠喩に満ちて美しく、その連なりから豊饒な物語が紡がれている。読後に深い余韻を残す、渾身の一作である。
『WOMB vol.12』
『WOMB vol.12』は植田真紗美、Kalina Leonard、幸本紗奈ので発行。
今号は携わった作家の新作と美術評論家の光田ゆりの連載を掲載しています。
本誌にBook in Bookを挟み込む2冊セットで、作品に寄り添いながらも1つの冊子として端正に仕上げました。
ロゴや冊子のデザインは SOUVENIR DESIGN INC. の武田厚志さんです。
また、海外へも届けるために日本語と英語のバイリンガル仕様となっています。
contents
・幸本紗奈、Kalina Leonard、植田真紗美による作品
・美術評論家の光田ゆりさんが毎号1人の作家さんについて書く連載「月をみる 光をよむ」
今号は杉浦邦恵さんについての後編
・WOMB note
・掲載作家の写真集紹介
発売日 2022年10月
価格 1500円+ 税
<取扱書店> 代官山 蔦屋書店・吉祥寺 百年・BOOK MARUTE・ホホホ座浄土寺店 など
<WOMB 公式online shop> <WOMB HP>